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一燈照隅

初心忘るべからず

是非の初心忘るべからず
時々の初心忘るべからず
老後の初心忘るべからず
『花鏡』(世阿弥

「初心忘るべからず」とは
物事に慣れると慢心してしまいがちだが 最初のころの志を忘れてはいけないという意味が一般的

「是非の初心忘るべからず」とは
未熟だったときの芸も忘れることなく 判断基準として芸を向上させていかねばならないということ

「時々の初心忘るべからず」とは
その年齢にふさわしい芸に挑むということは その段階においては初心者であり やはり未熟さ つたなさがある
そのひとつひとつを忘れてはならないということ

「老後の初心忘るべからず」とは
老年期になって初めて行う芸というものがあり 初心がある
年をとったからもういいとか 完成したとかいうことはないということ

限りのない芸の向上を目指すべしと説いている
つまり初心は一生続くのだ

北京オリンピックが始まりテレビでは
羽生選手の子供の時からの映像を含め
今に至るまでの困難を乗り越えてきた努力と成果を伝えている
そして同時に3連覇への期待を煽っている

それにしても羽生選手は2連覇しただけでも凄いのに
こうした国民の期待を受けてプレッシャーだろうが
更に高めに挑戦しようとする姿には言葉がない
まさに飽くなき技術の向上を目指す求道者のようだ

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