hayabusa-k

一燈照隅

3.11

その時は4階の事務室にいた
突然大きな揺れがきた
地震には慣れているが今まで経験したことのない揺れだった
情報を得ようと席を立ってすぐにテレビを付けた
テレビが情報源だから倒れないように抑えた

揺れは収まらない
スチールロッカーが倒れた
額が落ちてガラスが割れた
これは普通ではない

建物自体が古かったので倒れるのかも知れないと感じた
倒れたら隣は銀行だからそこが支えてくれるから下までは崩れないだろうなどと想像した
同僚たちも呆然と立っているだけで動けなかった

揺れは長かった
倒れたロッカーを戻そうとしたが再び揺れて倒れるのでしばらくはそのままにしておくことにした

揺れが収まった時 初めて我に返って何をすべきか考えた
身体の被害はなかったが結局身を守る行動は何もしなかった
机の下に入ることもできなかった
職場では毎年避難訓練をしていたがいざとなると何もできなかった

時間が経つと徐々に情報が明らかになってきた
鉄道も止まり車も渋滞し道路は徒歩で帰宅する人々で溢れていた
帰宅は諦めその日から1周間職場に泊まり込んだ

あれから11年
今日は当時の被災映像が流れる
それを見ているとウクライナの今とダブってしまう
ウクライナの攻撃が一刻も早く終わって欲しい

f:id:hayabusa-k:20220311194233g:plain